下半身痩せのためにウォーキングをしようTopへ

 >  健康の情報
 >  メタボの罠―「病人」にされる健康な人々 (角川SSC新書 2)

メタボの罠―「病人」にされる健康な人々 (角川SSC新書 2)

メタボの罠―「病人」にされる健康な人々 (角川SSC新書 2)

大櫛 陽一

メタボの罠―「病人」にされる健康な人々 (角川SSC新書 2)

定価: ¥ 756

販売価格: ¥ 756

人気ランキング: 5796位

おすすめ度:

発売日: 2007-10

発売元: 角川・エス・エス・コミュニケーションズ

発送可能時期: 通常24時間以内に発送



現場の医師として一言申す
 最近の健康政策で、「メタボ」程定着したものも少ないだろう。本書では其の姿勢を根拠のないものとして否定し、かつそれを製薬会社と医療機関の癒着と結論づける。確かに、現在のmetabolic syndromeの定義は批判も多く、生命はBMI24の時が一番良い、という発表もあるので、著者の言説にも一理ある。しかし、高血圧に対し至適血圧以下に下げると寿命が下がる、という意見は引用文献も貧弱。というのも以前医学会でも同様な説はあり(いわゆるJ curve)研究もされたのだが現在ではJ curveもデータとしては根拠がないと否定されたのであり、製薬会社の提灯として降圧剤を処方されている訳ではないのだ。また、高脂血症に対するスタチン剤を30%以上の副作用がある危険な薬剤とするのも大げさ。確かに肝障害や横紋筋融解症を来すがそれ程多くもなく、決して危険な薬ではない。

 まあ、要するにメタボに煽られずかつあまりにも著者の言を鵜呑みにもするな、ということだ。

メタボの判定基準はおかしいことをデータを基に告発する
 本書の主題は、

  厚生労働省のメタボ基準値は、ちょっとおかしいんじゃないの?

  まともに適用したら3千万人も病院通いをはじめて、仕事どころじゃ

  なくなっちゃうよ。

  死亡率が低いお年寄りは、本当はちょっと太めの人なんだよ。

ということです。



 具体的には、ウエスト周囲径を臍の位置で測定しているのは日本だけであること、男性のウエスト周囲径の基準が女性より小さいのは日本だけであることなど、メタボ判定のいかがわしさを教えています。

 気になる数値を引用すると、男性のウエスト周囲径85センチの人、血圧が130/85mmHgの人、中性脂肪150mg/dlの人(著者が「ちょいメタ」な人、と呼んでいる人)が統計的に最も長生きなのです。



おお!

鎌田實さんの『ちょい太でだいじょうぶ』を裏付けるような、たのもしいデータではありませんか。



 著者の大櫛さんは、全国70万人の健診結果を研究した医学部の教授です。その健診分析の専門家が統計を基に言っているのですから、こんなに心強いことはありません。



 しかし、安心はしていられません。いままでおデブは精神的に肩身のせまい思いをしても、太っているからといって何か社会的に不平等な扱いを受けることはありませんでした。

 厚生労働省の原案によると、義務化された“メタボ”健診を受けないと、保険料負担金を上乗せするなどのペナルティが検討されています。また、メタボと判定された人が病気になった場合、自己負担金を多くする案もささやかれているとのこと。



 ちょい太のみなさん! このままではあなたも被害者になってしまいますよ。

製薬会社との癒着ですか…
 この本の主張をざっくり約すと、「肥満度と平均寿命の関係」を調べると、へそ周りを測る、いわゆるメタボの基準値は平均寿命が一番長いサイズより幾分小さい。つまり、健康な人を病人扱いして医者と(肥満対策薬品の)製薬会社を儲けさせる陰謀である。ということ。

 肥満度に関しては、昔から「BMI値」が使われているが、へそ周りを測る方法は体格や年齢を考慮していないのがそもそも弱点だと思われる。日本では男性85cm女性90cmと、女性のほうが基準が大きいが、これは世界基準と比較すると「測る位置が間違っている」ことが理由なのだそうだ。

 つまり、女性の腹囲を測定するのに「ヘソ」を基準にすると骨盤の大きさを測っていることになり、脂肪の量を反映しない。世界基準では、女性はもう少し上の部分を測定するのだが、日本では「ヘソ」が目安として分り安いことを優先したようだ。

 肥満が原因で死亡率が上昇するのは、BMI値=35以上だという。

 米国にはこれを超える超デブが大勢居るが、日本では0.3%とか。

 日本では若い女性と老人の痩せすぎが死亡率を上げる原因になっているというが、厚生省は痩せすぎに対する指導はなにも打ち出していない。老人が手術を受けた場合、体脂肪が多いほうが予後が良好だというから、やっぱり「少しぽっちゃり」くらいがベストのようだ。

 血糖値やコレステロール、γ-GTPの上限値も、日本は国際基準より低く設定されている。

 最大に健康になる値より健康診断の判定基準が低い項目がいくつもある。

 それは何故かというと、製薬会社から医者の○○学会への寄付が莫大な金額に上っている事が上げられている。たとえば、肥満の治療薬を作っている会社は、それで2000億円の売り上げがあり、関係学会に8億円もの寄付がわたっているのだそうだ。

 そして、寄付を受けた学会が、厚生省の基準作りに意見を出す。なるべく基準を下げれば病院に来る人が増えて、薬の売り上げが伸びる仕組み。

 …というわけで、だからデブで良いというわけじゃないんだけれど、色々な情報に目を配って、バランスの良い健康体を目指したいものです

ブックマークに追加する

関連エントリー

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://uranutes.net/mt/mt-tb.cgi/5251

下半身痩せのためにウォーキングをしようTop >  健康の情報 >  メタボの罠―「病人」にされる健康な人々 (角川SSC新書 2)



Google


▼ カテゴリー

▼ RSS

人気ブログランキングへ

人気ブログランキング【ブログの殿堂】

track feed

My Yahoo!に追加

Add to Google

  • seo
Supported by 楽天ウェブサービス